会長挨拶

内田慶市会長

 この度、佐藤前会長の後を受けて会長職を拝命致しました。その器でないことは重々承知いたしておりますが、次の適任者までの取りあえずの「つなぎ」としてお引き受けした次第です。
 さて、このところの中国語学関係の研究情況は必ずしも芳しいものではないと私は考えています。とりわけ私が最も危惧しているのは、微視的、個別的な学問研究は進んでいるが、中国語あるいは近世語全体を見渡した議論、つまり、「体系化」という観点が抜け落ちているという点です。もちろん、微視的な研究と巨視的な研究は「あれかこれか」の関係ではなくて、「あれもこれも」であるのですが、どうも、前者に傾く傾向が顕著であるように思えてならないのです。特に、これからの研究をしょって立つ若き学徒にはそのことを心の片隅に置いておいてほしいなと願っています。
 年2回の大会はこれまで通り実施しますが、それ以外に、ゲリラ的に他の学会あるいは国外の研究者とのコラボもできればと考えています。また、本学会の雑誌『中国語研究』を「核心雑誌」としての登録も考えるべき時に来ているように思っています。
 なにはともあれ、微力ながら精一杯つとめさせていただきますので、会員諸氏のお力添いを心からお願いいたします。

内田慶市(関西大学)